ユタとふしぎな仲間たち

小学校から帰ってきて偶然テレビで見たドラマで、ずーっと頭の中に引っかかっていた。それから40年近くして本屋で原作を偶然発見した。

児童文学の位置づけで、主人公のユタこと勇田の父が事故で亡くなり、東京から母親の実家が有る東北の田舎へ引っ越し、もやしっ子と囃したてられ、座敷童と交わりながら逞しく地元っ子になっていく話。

書かれたのは1970年頃の高度成長期、文中にもでてくるロケットが月にゆく時代。

古い伝承がなくなりはじめ、新しい物が尊ばれる頃。ユタが越した集落唯一の築100年以上経った古家に座敷童は住み着いている。

彼らは姥捨伝説同様に口減らしに合い座敷童になってしまった、ユタは偶然みた年表にある各飢饉と彼ら座敷童の生まれた年との一致で、なんとなく関連性を知ることになる。そして童達に問う。

この本で出てくる座敷童達は男しかいない、男は貧しい農家では長男以外は邪魔な食い扶持、次男だと長男がもしもの時に代わりになるけど、四男や五男なんてお荷物、で生まれたら口に手を当ててとか濡れた紙を口に置いて、なんて描写も出てくる。座敷童の親分ペドロはぺんぺん草が生えた泥沼に捨てられた。女の子は育てれば口入屋を通して現金収入になる。そんな悲しい伝承(事実だっただろう)も綴ってある。

別れは古家の火事によって訪れる、新しい物へ新しい物へと変わっていく事を著者は火事によって表現したように思われる。

柳田邦夫だったよな?、座敷童について、働きてにならない年寄りを家の奥の部屋(労働力にならないから、北側の物置同様の小部屋)に置き、なんとなくその部屋に入り込んだ子供達の遊び相手が起源と思われる。と書していた。腰が曲がり小さくなったお年寄り、お手玉など遊びを知っている、童っぽい。

ちなみにドラマはNHK製作で前にDVDを手に入れた、が、まだ見ていない、小学校の時に見た思い出と、大人の僕のギャップが怖くて。

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