火星年代記

華氏451度を読んで以来のレイ・ブラッドベリ、ブラッドベリ著の本は2冊目だけど。

直前に井上ひさしの「井上ひさしと141人の仲間たちの作文教室」と宮本常一の「生きていく民族」を読み、NHKは何かを訴えたいのか?で書いた映画三本を見て、何故か二冊の本と映画三本が心の中で繋がって、ふとレイ・ブラッドベリを読みたくなった。華氏451度を読んでいなかったらそんな気持ちににはならなかっただろう。

タイトルからすると火星冒険物の雰囲気で、気にはしていたけどズーっと手にしなかった。本屋さんでブラッドベリを見たら気になっていたこの本があり、序で彼はSFらしい所は無いと書いてあった。

中盤までは時代を大航海時代に置き換え、主人公の地球人をヨーロッパ人に置き換えればそのまま歴史書として通用する。

コロンブスがアメリカ大陸にたどり着き、新天地で冒険や開拓、そして先住民との争い。そのあとに一般の人々の入植やヨーロッパ文化の輸入、そして価値観の押し付け。自分は文明人と思っていたヨーロッパ人、しかし先住民の方が文化文明そして思想はそれを上回っていた。

そんな感じを火星への植民に置き換えて、ブラッドベリ的な風刺や皮肉でつづってある本です。

あ、そうそう。焚書や芸術の弾圧に対して恨みを晴らす章「第二のアッシャー邸」があるので、先に華氏451度を読んでからがいいかも。アッシャー邸はポーの小説に出てくるそうですね、こいつ「アッシャー家の崩壊」も読んで見よう。

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